
Key Takeaways
- LLMOの測定で見るのは順位ではなく、引用の回数と引用元になったページである。
- 当社の実測では8月11日の登録以降のAI引用が9月12日時点で累計127件になり、そのうち64件が1本の記事に集中していた。
- 当社の実測では、Search Consoleの生成AI機能レポート上位はトップページと会社紹介ページで、Bingで最多の記事は上位10件に入っていなかった。
- Citation ShareはMicrosoftが観測指標と明記しており、順位やスコアボードとしては読めない。
- 当社の計測では、Bing側のデータは2日から3日遅れるため、配信や更新の当日に画面を開いても当日の数字は出ない。
LLMOの測定とは、生成AIが回答を作るときに自社ページを引用した回数と、引用元になったページを面ごとに数えることです。
当社も2026年8月11日にBing Webmaster Toolsへ登録するまで、自社が引用されているかどうかを1件も数えられませんでした。前の記事プレスリリース配信でAI検索の引用は増えるのかで報告したのは配信1本の前後の変化までで、毎月どの画面を開いて何を控えるかという手順は別の話として残っています。ここでは当社がsai31.co.jpで回している5つの測定面を並べ、4面には日付つきの観測値を、残る1面には数字が出る前の器の作り方を書きます。
本文の数値はすべて当社1サイトの観測です。業界の平均でも他社に当てはまる値でもなく、n=1の自社ログから日付つきで引いています。Bing Webmaster Toolsの引用数は2026年8月11日の登録以降の累計で、それ以前の引用は数に入っていません。累計の系列と直近7日の系列が混じるため、数値ごとにどちらの窓の値かを本文で明記します。
引用は順位ではなく、回数と引用元ページで見る
AI検索の測定を順位表のつもりで開くと、最初の数字で読み違えます。Bing Webmaster Toolsの指標Citation Shareについて、Microsoftは "Citation Share is designed as an observational metric – not a ranking system or a competitive scoreboard." と書いています(Bing Search Blog・2026年6月16日公開・2026年9月18日確認)。観測のための指標であって、ランキングでも競争のスコアボードでもないという意味です。
Google側も同じで、Search Consoleの生成AI機能パフォーマンスレポートから得られるのは表示回数です。同ヘルプは表示回数を "Impressions are how many times links to your site were shown to a user in a generative AI feature on Google Search." と定義しています(Search Consoleヘルプ・2026年9月18日確認)。順位も掲載位置も出てきません。
図は縦に5つの面を並べ、左から測定対象・使う道具・控える指標の順に対応させたものです。面ごとに道具が違い、同じ「AIに引用されているか」でも数えているものが違うという点だけ先に受け取ってください。
回数と引用元ページの2つだけで、当社の場合は変化が十分に見えました。2026年9月14日の計測では引用元が16ページあり、そのうち1ページが累計の半分を占めています。順位という単一の数字に畳むと、この偏りは消えます。
Bing Webmaster ToolsのAI Performanceで、引用回数と引用元ページを数える
最初に開く画面はここです。MicrosoftはこのレポートについてBing Webmaster Blogで "how publisher content appears across Microsoft Copilot, AI-generated summaries in Bing, and select partner integrations" を示すものだと説明しています(Bing Webmaster Blog・2026年2月10日公開・2026年9月18日確認)。対象はCopilotとBingのAI要約、それに一部の提携先です。提携先の内訳は公表されていないため、この数字がどの面まで拾っているかは原文からは読み取れません。
控えているのは累計・日次・引用元ページ・グラウンディングクエリの4つです。累計の推移は次のとおりでした。9月6日までの4行は、前の記事の続報で報告した数値と同じです。
| 計測日 | 反映されていた最新日 | AI引用 累計 | 引用元ページ数 |
|---|---|---|---|
| 2026-09-01 | 8月30日 | 58 | — |
| 2026-09-03 | 8月31日 | 63 | — |
| 2026-09-04 | 9月2日 | 68 | 13 |
| 2026-09-08 | 9月6日 | 85 | 13 |
| 2026-09-14 | 9月12日 | 127 | 16 |
2026年8月25日時点では18件でした。
日次で見ると形が変わります。最大は9月8日の29件で、これが登録以来の最大値でした。第1弾のリリースを配信した8月17日は12件、前の記事を公開した8月27日は20件です。一方で9月10日から9月12日は1件・0件・0件でした。月次の合計だけを見ていると、この山と谷は平らになります。
引用元ページの偏りはもっとはっきりしています。2026年9月12日時点の上位は次のとおりでした。
| ページ | 引用数 |
|---|---|
| レベニューシェアの解説記事 | 64 |
| AIエージェントの導入事例 | 9 |
| FDEのキャリア記事 | 9 |
| FDEの仕事内容の記事 | 8 |
| 内製化の記事 | 8 |
| トップページ | 6 |
上位1本が全体の半分で、残りは1桁が並びます。FDEのキャリア記事は同じ期間に当社が一度も触っていない記事で、1件から9件へ動いた理由は今の材料では説明できません。引用元ページの表を毎回そのまま残しておくと、こうした「触っていないのに動いたページ」に気づけます。
グラウンディングクエリは、AIがそのページを引くときに使った質問です。2026年9月14日計測の直近7日(9月6日ごろから9月12日)では「revenue share」が18件でCitation Share 11.46%、「レベニューシェア 意味」が7件で31.82%、「レベニューシェアとは」が7件で11.11%でした。ここは累計ではなく7日の窓の値なので、前の表の127件とは母数が違います。Citation Shareが示すのは、そのクエリで表示された引用全体に対する当社ページの構成比です。分母は他社を含む引用全体なので、31.82%は当社の順位や勝敗としては読めません。なおMicrosoftはグラウンディングクエリのデータについて "represents a sample of overall citation activity" と注記しています(前掲・2026年2月10日公開)。
Search Consoleの生成AI機能レポートで、Google側の表示回数を並記する
BingだけではGoogle側が見えません。Googleは "To measure how your content is performing in generative AI features on Google Search and Discover, use the Generative AI performance report in Search Console." と案内しています(Optimizing your website for generative AI features on Google Search・最終更新2026年7月10日・2026年9月18日確認)。
この系列を並記し始めたのは2026年9月7日です。2026年8月8日から9月4日までの28日間で、生成AI機能の表示回数は合計191、対象ページは27でした。上位はトップページ68・会社紹介ページ53・営業デモの記事28・FDEのサービスページ13です。
ここが並記の効いた場所でした。Bingで最も引かれているレベニューシェアの解説記事は、Google側の上位10件に入っていません。Google側で上位に来るのはトップページと会社紹介ページで、ブランドに関する質問が中心だと読めます。同じサイトでも面によって引かれるページが違うので、判断には両方の画面を並べます。
表示の前提として、Googleは "In addition to the technical requirements for Search, a site must be included in Search generative AI features in Search Console to be eligible for display in generative AI features on Google Search." とも書いています(前掲・最終更新2026年7月10日)。当社はSearch Consoleの設定が継承(含める)であることを2026年9月7日に確認しました。この設定を除外にしていると表示回数そのものが立たないため、測定を始める前に見ておく項目です。
ChatGPTとPerplexityには、同じ質問文を固定して名前と出典を目視で控える
回数のレポートに出ない面は、質問して目視で記録します。当社は2026年9月9日に初回のプローブを取り、以後は月1で同じ5面・同じ質問文を回すと決めました。固定した5面はGoogleの通常検索・同じ検索でのAI概要の有無・Bingの通常検索・Perplexity・ChatGPTのウェブ検索です。初回の記録は次のとおりでした。
- Googleの通常検索「FDE伴走開発とは」はAI概要が出ず、上位10件に当社は不在
- Googleの通常検索「株式会社SAI 恵比寿 FDE」は自社サイトが1位と2位
- Bingの通常検索「レベニューシェアとは」はレベニューシェアの解説記事が結果一覧に表示
- ChatGPTのウェブ検索(ゲスト)で「FDE伴走開発とは何ですか。日本で提供している会社を教えて」と聞くと、8社の比較表の4番目に当社。出典は自社のサービスページとPR TIMESの配信
- Perplexityに同じ趣旨で聞くと、国内で提供している企業の例の1番目に当社。出典はリリースの転載記事
このプローブを取った9月9日の時点で、Bing側に反映されていた最新日は9月6日でした。そこではFDE系の3ページは横ばいで、回数の面には何も出ていません。動いたのはその後で、9月12日分まで見えた次の計測ではFDEのキャリア記事が1件から9件になっています。回答に名前が出る面と回数が積み上がる面では、同じ出来事でも現れる時期がずれることがあります。面と質問文を固定して取り続けることで、次回以降はこのずれを時系列で並べられます。
AI概要が出ないことを異常として扱わない点も、ここで決めておきます。Googleは "AI Overviews are only shown when our systems determine that it is additive to classic Search, and as such, often don't trigger." と書いており、追加要件についても "There are no additional requirements to appear in AI Overviews or AI Mode, nor other special optimizations necessary." としています(AI features and your website・最終更新2025年12月10日・2026年9月18日確認)。出現の有無は記録する対象であって、AI専用の施策を別建てする理由にはなりません。
参照元の流入とフォームの回答は、数字が出る前に器だけ作っておく
引用が増えても、その分だけ流入が増えるとは限りません。AIの回答の中で読者が用を済ませてしまえば、クリックは発生しないからです。そこで流入の面では2つの画面を先に用意しました。
1つはGA4のトラフィック獲得レポートで、セッションの参照元とメディアからAIサービスのホスト名を拾います。もう1つは/contactに置いた「当社をどちらでお知りになりましたか」という任意の選択肢です。送信が成功したときのイベントに載せているのは、認知経路の選択肢・相談内容の種別・最初に着地したページのパスの3つだけです。氏名やメールや問い合わせ本文は、イベントに一切送りません。件数はまだ判断に足る量ではないため、本記事では集計値を出しません。5面のうちこの面だけは、観測値ではなく器の作り方を書いています。
AIクローラが200を返しているかを、週1で確かめる
測定の前提として、ボットがページに到達できているかを見ます。当社はリポジトリのスクリプト(npm run check:bots)で8つのユーザーエージェントの応答を確認しています。GPTBot・OAI-SearchBot・ChatGPT-User・ClaudeBot・Claude-SearchBot・PerplexityBot・Google-Extended・bingbotの8つで、2026年9月7日はすべて200でした。実行はlaunchdで毎週月曜に回し、トップページ・主要記事2本・ニュースリリース1本の計4URLを対象にしています。
この確認を測定の一部に入れているのは、配信元やファイアウォールの設定変更で静かに遮断されても、レポート上は「引用が減った」としか見えないためです。記事の中身を疑う前に、到達しているかどうかを切り分けます。どのボットを通すかという判断は社内でどのAIを使うかという線引きと地続きなので、生成AIの社内利用ルールと同じ台帳で管理すると運用が楽になります。
読み違えやすいのは、遅延・母数・指標の性質・面の違いの4点
遅延は2日から3日あります。 当社の実測では、2026年9月3日の計測で反映されていた最新日は8月31日で3日遅れ、9月4日以降の計測では2日遅れでした。リリース配信や記事更新の当日に画面を開いても、その日の数字は出ていません。Search Console側も "the newest data can be preliminary, meaning it's still being collected and might change in the next few hours." と注記しています(Search Consoleヘルプ・2026年9月18日確認)。判定日は遅延を足して決めます。
母数が小さいことを毎回思い出してください。 当社の引用元は16ページで、日次は0件から29件の間を動きます。1日の増減で施策の良し悪しを語れる規模ではありません。
Citation Shareは観測指標です。 前掲のとおりMicrosoftが明記しています。社内の報告で「シェア31%」だけが独り歩きすると、順位のように扱われてしまいます。引用数と構成比は必ずセットで書きます。
GoogleとBingでは引かれるページが違います。 当社ではBingがレベニューシェアの解説記事、Googleがトップページと会社紹介ページでした。両方を並記しないと、サイトのどこがAIに読まれているかを取り違えます。
もうひとつ、うまく切り分けられなかった点も書いておきます。日次が跳ねた2026年9月3日は、レベニューシェアの解説記事の全面リライトと解説動画の公開、その後の内部リンク追加と重なっています。9月8日に重なったのは同じ記事の再リライトと、別記事の公開でした。リリースの寄与か更新の寄与かは切り分けられていません。判定日を先に決めておき、その期間に自社側で何をしたかを同じ表に書き込んでおくと、あとから言い訳ではなく記録として読めます。施策の順番を決める考え方そのものはGTM戦略の5ステップで扱った優先順位の付け方と同じです。
LLMOの測定についてよくある質問
Q. 5つの面は、どれから開けばよいですか?
Bing Webmaster ToolsのAI Performanceからです。引用の回数・引用元ページ・引いた質問文の3つを1つの画面で返すのは5面のうちここだけで、基準線もここで作れます。登録した日とその日の引用数をメモに残せば、あとから何件増えたかを言えます。次に開くのはSearch Consoleの生成AI機能レポートで、同じ期間に揃えて並べます。
Q. Bingで引用が増えれば、Googleでも引用されますか?
当社の2系列は一致していません。Bingで最多の記事はGoogleの生成AI機能レポートの上位10件に入っておらず、Google側で上位に来るのはトップページと会社紹介ページでした。どちらか一方の改善が他方に波及するかは、当社の観測からは言えません。両方を並記して別々に読んでいます。
Q. ChatGPTやPerplexityでの引用回数は数えられますか?
回数としては数えられません。Bing Webmaster ToolsのレポートについてMicrosoftが挙げているのはCopilotとBingのAI要約、それに一部の提携先で、提携先の内訳は公表されていません。ChatGPT単体の回数が含まれるかどうかは、この説明からは確認できないままです。当社は定型質問で名前が出るかどうかと出典を目視で記録し、回数のレポートの穴を埋めています。
Q. どのくらい観測すれば、施策の効果を判定できますか?
当社は判定日を先に決め、2週間から3週間は動かさない運用にしています。遅延が2日から3日ある点と、日次が0件から29件まで振れる点を考えると、数日では形が見えないためです。またGoogleのコアアップデートの展開中と完了直後は、当社では判定そのものを行いません。
SAIの視点:器を先に作り、記事に手を入れるのはその後にする
当社が自社サイトでこの5面を回して分かったのは、面白い数字より先に「基準線のある画面」を持っているかどうかで話の精度が変わるということです。引用が127件あるという報告だけでは、次に何をするかを決められません。そのうち64件が1本に集中していて、触っていない記事が1件から9件へ動いたという粒度まで下りて初めて動けます。

顧客サイトで同じ仕組みを組むときも、この順番は変えないつもりです。AI導入支援で測定を設計するときに先に決めるのは、登録と基準線の記録・介入の記録・遅延を見込んだ判定日の3つです。記事や構造化データに手を入れるのはそのあとにします。導入前の数字と比べてから広げるという順番は、AI導入の進め方のステップ8と同じ考え方です。
見えている画面から話を始めます。サイトのURLと、Search ConsoleおよびBing Webmaster Toolsに登録済みかどうかを送っていただければ、5面のうちどこが空いているかを洗い出して返します。ご相談はこちら。
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