
Key Takeaways
- Bingの引用数とGoogleの表示回数は別の量で、足し合わせてAI検索全体の成果にはできない。
- 自社の過去の実測では、2026年9月12日までのAI引用累計127件のうち64件が1本の記事に集中していた。
- グラウンディングクエリはAIが情報を探すときに使った語句の一部で、利用者が入力した質問そのものとは限らない。
- 定型質問は実行条件と出典を残す。回答内の紹介順を順位と見なさず、引用率を一般化しない。
- 問い合わせは送信成功を確認して1件と数え、ボットを模したHTTP確認は実際のクロールと区別する。
2026年9月の自社記録では、Bingで引用が多い記事とGoogleで表示が多いページが一致していませんでした。前の記事プレスリリース配信でAI検索の引用は増えるのかから測定を広げると、画面ごとの数字をそのまま比べられないことが分かりました。
以下の自社数値は、各段落に記した期間の過去の観測です。2026年10月2日現在の値ではありません。 当社1サイトの記録であり、業界平均でも他社で再現する成果でもありません。Bingの累計は2026年8月11日の登録以降を数えています。
5つの面は、それぞれ数えているものが違う
Bing Webmaster ToolsのAI Performanceは引用を数えます。一方、Googleの生成AI機能パフォーマンスレポートは、検索のAI機能でサイトへのリンクが利用者に表示された回数を示します(Search Consoleヘルプ・2026年10月2日確認)。この2つを合算して「AI検索の成果」とはできません。
定型質問で見えるのは、その条件で返った1つの回答です。GA4とフォームは訪問や問い合わせを扱い、HTTP応答確認はアクセス制限を点検します。後の2つも引用の回数を測る道具ではありません。
図は測定対象・使う道具・控える指標の対応です。図中の「AIクローラの応答確認」は、ボットを名乗るリクエストに対する応答の点検を指します。実際のボット訪問を確認するものではありません。
2026年9月14日に取得したBingの記録では引用元が16ページあり、1本が累計の半分を占めていました。合計だけでなくページごとの内訳を残すと、どこに変化が集中したかが分かります。
Bing Webmaster ToolsのAI Performanceで、引用回数と引用元ページを数える
Microsoftの公式説明では、対象はCopilot・BingのAI要約・一部の提携先です(2026年2月10日公開・2026年10月2日確認)。この合計からChatGPTやPerplexityそれぞれの引用数は切り出せません。
控えているのは累計・日次・引用元ページ・グラウンディングクエリの4つです。累計の推移は次のとおりでした。9月6日までの4行は、前の記事の続報で報告した数値と同じです。
表は横にスクロールできます。
| 計測日 | 反映されていた最新日 | AI引用 累計 | 引用元ページ数 |
|---|---|---|---|
| 2026-09-01 | 8月30日 | 58 | — |
| 2026-09-03 | 8月31日 | 63 | — |
| 2026-09-04 | 9月2日 | 68 | 13 |
| 2026-09-08 | 9月6日 | 85 | 13 |
| 2026-09-14 | 9月12日 | 127 | 16 |
初回の記事では、2026年8月25日時点の累計を18件と記録していました。ただし、後日保存した日次値との不一致があり、確定した基準値としては扱いません。前掲記事の訂正箇所に、記録の違いと未確認の点を記載しています。
日次で見ると形が変わります。9月14日までに取得した記録では、9月8日の29件が最大でした。第1弾のリリースを配信した8月17日は12件、前の記事を公開した8月27日は20件です。一方で9月10日から9月12日は1件・0件・0件でした。月次の合計だけを見ていると、この山と谷は平らになります。
引用元ページの偏りはもっとはっきりしています。2026年9月12日時点の上位は次のとおりでした。
| ページ | 引用数 |
|---|---|
| レベニューシェアの解説記事 | 64 |
| AIエージェントの導入事例 | 9 |
| FDEのキャリア記事 | 9 |
| FDEの仕事内容の記事 | 8 |
| 内製化の記事 | 8 |
| トップページ | 6 |
上位1本が全体の半分で、残りは1桁が並びます。FDEのキャリア記事は同じ期間に当社が一度も触っていない記事で、1件から9件へ動いた理由は今の材料では説明できません。引用元ページの表を毎回そのまま残しておくと、こうした「触っていないのに動いたページ」に気づけます。
グラウンディングクエリは、AIが回答の根拠を探すときに使った語句です。Microsoftは表示データを引用活動のサンプルと説明しています(前掲の公式説明)。利用者が入力した質問そのものとは限らず、全件の検索需要も表しません。
2026年9月14日計測の直近7日(9月6日ごろから9月12日)では「revenue share」が18件でCitation Share 11.46%、「レベニューシェア 意味」が7件で31.82%、「レベニューシェアとは」が7件で11.11%でした。7日間の値なので、累計127件とは期間が違います。
Citation Shareの分母は、同じグラウンディングクエリで表示された全サイトの引用です。自社の占める割合であり、順位・品質スコア・訪問シェアではありません。Microsoftは関連する検索意図をまとめるIntents、話題をまとめるTopics、期間比較のCompareも提供しています(Bing公式ブログ・2026年6月16日公開・2026年10月2日確認)。まず同じ期間の引用数とページを記録し、分類が表示される場合は意図と話題も添えます。
Search Consoleの生成AI機能レポートで、Google側の表示回数を並記する
Google側はSearch Consoleで別に測定します。前掲の公式ヘルプによると、検索の生成AI機能レポートはAI OverviewsとAI Modeの表示回数を扱います。ここからクリック数や問い合わせ数は分かりません。
この系列を並記し始めたのは2026年9月7日です。2026年8月8日から9月4日までの28日間で、生成AI機能の表示回数は合計191、対象ページは27でした。上位はトップページ68・会社紹介ページ53・営業デモの記事28・FDEのサービスページ13です。
この観測では、Bingで最多だったレベニューシェアの解説記事はGoogle側の上位10件に入っていませんでした。ただし、対象期間も数え方も違います。トップページや会社紹介ページの表示が多いという情報だけでは、ブランド名を含む質問が中心だったとは判断できません。
Googleは、通常の検索の技術要件に加え、Search Consoleで検索の生成AI機能への掲載を含める設定が必要と説明しています(GoogleのAI検索ガイド・最終更新2026年7月10日・2026年10月2日確認)。当社は2026年9月7日に「継承(含める)」を確認しました。これは掲載の適格性に関する設定で、表示の保証ではありません。
2026年9月24日には、画像を使った検索を分けるフィルタが追加されました。 Lensや画像アップロードなどが対象で、通常の検索結果と生成AI機能の両レポートから確認できます(Google公式発表・2026年9月24日公開・2026年10月2日確認)。比較するときはテキスト検索か画像を使った検索かも揃えます。該当する検索からのデータがないサイトで、数字が見えないことだけを不具合とは扱いません。
ChatGPTとPerplexityには、同じ質問文を固定して名前と出典を目視で控える
回数のレポートに出ない面は、質問して目視で記録します。当社は2026年9月9日に初回のプローブを取り、以後は月1で同じ5面・同じ質問文を回すと決めました。固定した5面はGoogleの通常検索・同じ検索でのAI概要の有無・Bingの通常検索・Perplexity・ChatGPTのウェブ検索です。初回の記録は次のとおりでした。
- Googleの通常検索「FDE伴走開発とは」はAI概要が出ず、上位10件に当社は不在
- Googleの通常検索「株式会社SAI 恵比寿 FDE」は自社サイトが1位と2位
- Bingの通常検索「レベニューシェアとは」はレベニューシェアの解説記事が結果一覧に表示
- ChatGPTのウェブ検索(ゲスト)で「FDE伴走開発とは何ですか。日本で提供している会社を教えて」と聞くと、8社の比較表の4番目に当社。出典は自社のサービスページとPR TIMESの配信
- Perplexityに同じ趣旨で聞くと、国内で提供している企業の例の1番目に当社。出典はリリースの転載記事
この紹介順は、そのときの回答の並びであり検索順位ではありません。また、初回の記録にはモデル名や地域など欠けた条件があります。別の日の回答との差を、記事改善の効果と断定する材料には使えません。
次回からは同じ質問文を固定し、次の項目を1回の実行ごとに残します。これは観測手順の提案で、過去に実施済みという意味ではありません。
| 記録する項目 | 残し方 |
|---|---|
| 実行条件 | サービス名・表示されたモデル名・検索機能の有無・ログイン状態・表示地域・日時とタイムゾーン |
| 質問と回答 | 質問の全文・会話の継続有無・回答の保存・社名の有無・引用先URL |
| 繰り返し | 同じ条件で新しい会話から複数回試し、試行数と該当回数を併記 |
| 分からない条件 | モデルや地域が表示されなければ「不明」と記録 |
複数回試しても利用者全体の引用率にはなりません。また、この定点確認とBingの集計レポートは対象が異なるため、両者の増減を同じ出来事の時間差だとは決めつけません。
参照元の流入とフォームの回答は、数字が出る前に器だけ作っておく
引用が増えても、その分だけ流入が増えるとは限りません。AIの回答の中で読者が用を済ませてしまえば、クリックは発生しないからです。そこで流入の面では2つの画面を先に用意しました。
1つはGA4のトラフィック獲得レポートで、セッションの参照元とメディアからAIサービスのホスト名を拾います。参照元が残らない訪問もあるため、これだけでAI経由の全訪問数にはなりません。もう1つは/contactの任意回答「当社をどちらでお知りになりましたか」です。こちらは相談者の自己申告として読みます。
当社のフォームは、メール送信APIが成功を返した場合にだけ完了を表示し、計測イベントを発火させます。generate_leadとcontact_submitは同じ送信で発生するため、足して2件と数えてはいけません。問い合わせ件数の集計に使うイベントを1つに決めます。APIの成功確認と、受信箱への到着や適格な商談の成立も別の段階です。
イベントには認知経路や相談種別、検証済みの初回到達ページのパスを記録します。氏名・メールアドレス・本文は送りません。担当者への通知には初回到達ページも添えるため、通知の相談内容と組み合わせて「どの記事から、何の相談につながったか」を分類できます。ただしパスが不明な送信は無理に補わず、初回ページだけで問い合わせの原因を決めません。件数はまだ判断に足る量ではなく、本記事では成果の集計値を出しません。
ボットを模した応答確認と、実際のクロールを分ける
当社はnpm run check:botsで、ボットの名前をUser-Agentに入れたリクエストを送ります。2026年9月7日の記録では、当時設定した8種類の文字列でHTTP 200が返りました。これはその条件で取得できたという疎通記録であり、実際のボットが訪れた証明ではありません。送信元IPなどによって応答が変わる可能性もあります。
当時のリストにはGoogle-Extendedも含まれていましたが、Google-Extendedには独立したHTTP User-Agentがありません。 robots.txtで利用を制御するための識別子です。Google検索への掲載やランキングにも影響しません(Googleのクローラ資料・最終更新2026年7月14日・2026年10月2日確認)。Google-Extendedを名乗って200が返ったことを、Google検索のAI機能への到達確認とした説明は訂正します。
週1回の自動実行用の定義ファイルは作成していますが、2026年10月2日時点で常駐登録は未了です。自動監視が実稼働しているとは扱いません。今後は疎通確認に加え、robots.txtとインデックス状態を点検し、実際のアクセスログを取得できる場合は送信元も検証します。どの用途の取得を許可するかは、生成AIの社内利用ルールと同様に用途を分けて管理します。
読み違えやすいのは、遅延・母数・指標の性質・面の違いの4点
当社の過去の観測では、Bingの遅延は2日から3日でした。 2026年9月3日の取得時は8月31日分まで、9月4日の取得時は9月2日分まで反映されていました。固定の仕様とはせず、取得日とデータの最新日を毎回控えます。Googleも直近のデータは暫定で変わりうると説明しています(前掲のSearch Consoleヘルプ)。
母数と集計期間を揃えます。 当社の9月14日取得分は引用元16ページで、日次は0件から29件でした。少数の増減は大きな割合に見えます。累計と直近7日を直接比較せず、数が少なければ判定を延期します。
Citation Shareから順位や売上は読めません。 引用数と期間を添えて記録します。比較機能で前後の変化が見えても、モデルの変更や需要の変化まで切り分けられるわけではありません。
GoogleとBingは別々に読みます。 ページの内訳は並べられますが、表示回数と引用数は同じ量ではありません。片方で伸びたページが他方でも伸びるとは限りません。
もうひとつ、うまく切り分けられなかった点も書いておきます。日次が跳ねた2026年9月3日は、レベニューシェアの解説記事の全面リライトと解説動画の公開、その後の内部リンク追加と重なっています。9月8日に重なったのは同じ記事の再リライトと、別記事の公開でした。リリースの寄与か更新の寄与かは切り分けられていません。判定日を先に決め、その期間に自社側で何をしたかを同じ表に残します。
LLMOの測定についてよくある質問
Q. 5つの面は、どれから開けばよいですか?
Bing Webmaster ToolsとSearch Consoleのうち、取得できる方から基準線を残します。Bingは引用と検索に使われた語句のサンプル、Googleは生成AI機能の表示回数です。両方にアクセスできたら同じ期間を選び、別の系列として並べます。
Q. Bingで引用が増えれば、Googleでも引用されますか?
当社の2系列は一致していません。Bingで最多の記事はGoogleの生成AI機能レポートの上位10件に入っておらず、Google側で上位に来るのはトップページと会社紹介ページでした。どちらか一方の改善が他方に波及するかは、当社の観測からは言えません。両方を並記して別々に読んでいます。
Q. ChatGPTやPerplexityでの引用回数は数えられますか?
本記事で使う公式レポートから、各サービス単体の総引用回数は取り出せません。定型質問では自分が行った試行の範囲で社名や引用先を数えられますが、サービス全体の引用回数を埋める値ではありません。
Q. どのくらい観測すれば、施策の効果を判定できますか?
当社では改稿後に数週間の観察期間を設けますが、期間が過ぎれば効果を判定できるわけではありません。表示や引用が数件しかなければ判定を保留します。変更日・同時に行った施策・データの最新日を記録し、Googleのコアアップデート展開中と完了後1週間も判定を避けています。
SAIの視点:器を先に作り、記事に手を入れるのはその後にする
当社の9月の記録では、引用累計127件のうち64件が1本に集中し、触っていない記事も1件から9件へ動いていました。合計だけでは施策の効果を説明できません。基準線と介入の記録を残し、分からない変化は分からないまま置くことが測定の出発点です。

AI導入支援で測定を設計するときも、まず基準線・変更記録・判定日を決めます。施策を一度に重ねず、問い合わせまで確認してから広げます。
Googleは2026年10月1日に生成AIコンテンツのガイドを更新し、独自性や付加価値の乏しい内容を扱う品質評価の指針を案内しました。同ガイドは本文だけでなくタイトル・説明文・構造化データ・画像の代替テキストも確認対象としています(Googleの生成AIコンテンツガイド・最終更新2026年10月1日・2026年10月2日確認)。品質評価者の評価は順位に直接影響しないとも明記しています。当社も、記事を増やす前に今回のような測定説明の誤りを直し、自社の記録から確かめられる情報を加えます。
見えている画面から話を始めます。サイトのURLと、Search ConsoleおよびBing Webmaster Toolsに登録済みかどうかを送っていただければ、5面のうちどこが空いているかを洗い出して返します。ご相談はこちら。