
Key Takeaways
- 職業安定法は求人を広告する会社に情報を正確かつ最新の内容に保つよう求めており、厚生労働省は募集を終了・変更したら速やかに掲載を終了・変更することを措置の例に挙げている。
- 2024年(令和6年)4月から、募集時に明示する事項に業務と就業場所の変更の範囲と有期労働契約の更新基準が加わった。
- ボストン大学とMITの研究者がオンライン労働市場で行った実験では、AIが書いた求人の下書きを受け取った雇用主は求人を出す確率が高まった一方で、その求人で採用に至る確率は低かった。
- Indeedは1つの求人につき掲載を1回とし、頻繁な再投稿のように表示順を操作する行為と、それを可能にするシステムの開発を禁止している。
- Googleの求人検索では、応募を締め切った求人をvalidThroughの日付・404か410の応答・構造化データの削除のいずれかで期限切れにする必要がある。
求人広告の出稿の自動化とは、求人票の下書き・媒体への配信・内容の更新と掲載終了・応募の集計を、採用管理システム(ATS)や媒体の連携機能と生成AIでつなぐことです。連携機能はATSや採用サイトに入れた求人を各媒体へ送り、生成AIはその前後の下書きと集計を受け持ちます。
媒体ごとに同じ求人を打ち直し、募集を締めた日には掲載を1つずつ止めて回る採用担当にとって、自動化はまず手作業を減らす話です。足りないのは原稿を書くコツより、募集を閉じた日に全媒体の掲載を止める工程と2024年4月に加わった明示事項、そしてIndeedが禁じる再投稿の線です。工程ごとにAIとシステムへ任せる作業と人が決める判断を分け、それぞれに法令と媒体の公式資料の該当箇所を添えました。
法令はe-Gov法令検索の条文と厚生労働省の通知・リーフレット・Q&Aで、媒体の仕様はIndeed・求人ボックス・Google・LinkedInの公式ヘルプとドキュメントで確かめた範囲に限って書きます。調査と研究の数値は、発表元の資料に書かれた範囲だけを引いています。媒体の仕様と連携先は予告なく変わることがあり、いずれも2026年9月24日に確認した時点の内容です。法令の当てはめは募集の形や事業の中身で変わるため、個別の判断は社会保険労務士や弁護士などの専門家に確認してください。
求人広告の出稿は5つの工程に分かれ、人が決めるのは載せる条件と募集を閉じる時期
自動化で減るのは入力と転記で、募集の中身と閉じる時期は人が決めます。図の5つの工程を、任せる作業と決める判断に分けると次のようになります。
表は横にスクロールできます。
| 工程 | AI・システムに任せる作業 | 人が決める判断 |
|---|---|---|
| 1 求人票の作成 | 確定した条件から原稿の下書きを作る | 仕事の中身と変更の範囲を書き込む |
| 2 表示内容の法令チェック | 明示事項の抜けと注意が要る表現を洗い出す | 表示してよいかを決める |
| 3 媒体への配信 | 原本を各媒体の形式に変えて送る | 使う媒体と連携の方法を決める |
| 4 更新と掲載終了 | 変更と終了を全媒体に反映し、日付を残す | 募集を閉じる日と条件の変更を決める |
| 5 応募の集計と改善 | 媒体ごとの数字を集め、改善案を出す | どの改善案を採るかを決める |
この記事でいう原本は、全媒体に配る求人情報の元になる1か所の記録です。配信と更新と掲載終了は、原本(ATSか自社採用サイト)から流す形にすると媒体ごとの食い違いを1か所で追えます。改善案は次の原稿の下書きへ戻るので、5つの工程は一度で終わらず回り続けます。
求人票の下書きはAIで速くなるが、採用につながる中身は人が書き込む
キャリア採用の業務で生成AIを使いたい場面として最も多く挙がったのは、求人票でした。学情が企業・団体の人事担当者295件に行った調査(2026年3月16日〜4月10日)では、キャリア採用業務で生成AIを「すでに利用している」が28.7%でした。利用に前向きな企業に利用している・利用したい場面を聞いた複数回答では「求人票の作成・ブラッシュアップ」が65.3%で最も多く、人による対応を重視したい業務では「面接・面談」が75.3%で突出していました(株式会社学情「キャリア採用業務に『生成AIを利用している』3割弱、半数超が利用に前向き。利用している・したい場面は『求人票の作成・ブラッシュアップ』がトップ【企業調査】」(PR TIMES)/2026年6月15日公表・2026年9月24日閲覧)。
ボストン大学のEmma Wiles氏とMITのJohn J. Horton氏は、あるオンライン労働市場で新しく求人を出そうとする雇用主の半数に、AIが書いた求人の下書きを渡す実験を報告しています。下書きを受け取った雇用主は求人を出す確率がはるかに高く、その求人で採用に至る確率ははるかに低い結果でした。作成時間は40%短く、文面はほかの求人よりはるかに汎用的でした。両氏は、AIの下書きが求める人材を正確に書く手間を押しのけたとみています(Economic Innovation Group掲載 Wiles & Horton「Early insights into the labor market effects of Generative Artificial Intelligence」(PDF)/2026年9月24日閲覧)。元の論文「More, but Worse」は、この資料(2024年10月)では未公刊の原稿として引かれています。実験の場の名前と国は書かれていません。
求人を出しやすくなることと、採れる求人になることは別の話です。下書きをAIに任せるときに人が先に渡すのは、決まっている条件と、その仕事でしか書けない中身です。
労働施策総合推進法の施行規則第1条の3第2項は、職務の内容とその職務に必要な適性・能力・経験・技能の程度を、募集と採用に当たってできる限り明示するよう定めています(デジタル庁 e-Gov法令検索「労働施策総合推進法施行規則」/2026年9月24日閲覧)。AIの下書きに配属先の実際の仕事と求める経験の程度を人が書き足す作業は、この規定の求めと重なります。
AIに渡す材料は、確定した労働条件と現場の担当者から聞いた仕事の中身に限ります。決まっていない項目をAIに埋めさせると、実在しない条件が原稿に入るおそれがあるためです。とくに2024年(令和6年)4月に明示事項へ加わった業務と就業場所の「変更の範囲」は、将来の配置転換の見込みまで含み、社内の人事方針で決まる項目です(厚生労働省・都道府県労働局「募集時などに明示すべき労働条件が追加されます!」(PDF)/2026年9月24日閲覧)。下書きのテンプレートに「(雇入れ直後)」と「(変更の範囲)」の欄を先に作り、空欄のままなら確認の工程で止める形にします。
海外では、LinkedInがAI支援による求人票作成について、投稿者に正確さの確認と必要な修正を求めています。掲載する最終的な求人票の責任は投稿者に残るとしています。出力に性別に中立な言葉を使うようプロンプトで指定し、AIが作った内容は既存のコンテンツフィルターに通すとも書いています。この機能は米国・インド・英国・カナダ・オーストラリアでLinkedInの求人投稿を使う一部の会員向けで、対象の国に日本は挙がっていません(LinkedIn「AI-assisted job descriptions - FAQs」/2026年9月24日閲覧)。
表示内容の法令チェックは、的確表示・労働条件の明示・性別と年齢の3点で照らし合わせる
この工程でAIが役に立つのは、明示事項の抜けと注意が要る表現を候補として洗い出すところまでです。表示してよいかを決めるのは募集する会社で、判断に迷う表現は社会保険労務士や弁護士に確認してください。
的確表示|虚偽や誤解を招く表示をせず、正確で最新の内容に保つ
職業安定法第5条の4第1項は、職業紹介事業者・労働者の募集を行う者・募集受託者・募集情報等提供事業を行う者などに向けた規定です。広告等で求人等に関する情報を提供するときは、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならないと定めています。第2項は、労働者の募集を行う者と募集受託者に、広告等で提供する募集の情報を「正確かつ最新の内容に保たなければならない」と定めています。第3項は、職業紹介事業者や募集情報等提供事業を行う者などに、正確で最新の内容に保つための措置を講じる義務を課しています(デジタル庁 e-Gov法令検索「職業安定法」/2026年9月24日閲覧)。
この的確な表示は、令和4年3月31日に公布され同年10月1日に施行された改正(一部は同年4月1日施行)で義務になりました。同じ改正では、個人情報の取扱いのルールの整備と求人メディア等の届出制の創設も行われています(厚生労働省「令和4年職業安定法の改正について」/2026年9月24日閲覧)。
厚生労働省の求人企業向けリーフレットによると、義務がかかる手段には新聞や雑誌の広告だけでなくウェブサイトや電子メール・メッセージアプリ・放送なども含まれます。虚偽の表示に該当する場合がある例としては、実際に募集する企業と別の企業の名前で求人を載せることや、「正社員」と謳いながら実際にはアルバイト・パートの求人であることが挙がっています。誤解を生じさせる表示の例には、営業職が中心の業務を「事務職」と表示することや、契約社員の募集を正社員の募集であるかのように表示することが入ります。フリーランス(委託)と雇用契約の募集の混同や、モデル収入例を必ず支払われる基本給のように見せる表示も例に挙がっています(厚生労働省・都道府県労働局「求人企業の皆さま 労働者の募集ルールが変わります」(PDF)/2026年9月24日閲覧)。
どの例も、会社名・職種名・雇用形態・収入のいずれかの書き方で起きています。AIに言い回しを直させた後は、この4つが原本から変わっていないかを照らし合わせます。
求人情報に含める項目|会社名・所在地・連絡先・業務内容・就業場所・賃金の6つ
厚生労働省職業安定局需給調整事業課は令和6年12月18日の通知で、求人等に関する情報が第5条の4第1項に反しないと認められるには6つの項目を情報に含める必要があるとしました。求人者または募集者の氏名または名称・住所(所在地)・連絡先・業務内容・就業場所・賃金です(厚生労働省職業安定局需給調整事業課「職業安定法第5条の4第1項で求めている内容について」(職需発1218第1号・PDF)/2026年9月24日閲覧)。同省の周知ページは、この表示の対象になる広告等にインターネットやX等のSNSが含まれると説明しています(厚生労働省「職業安定法に基づく周知|労働者の募集広告の表示について」/2026年9月24日閲覧)。文字数の少ない媒体やSNSへ自動で流す設計にするなら、6項目がどの形で求職者に届くかを先に法務や専門家と確かめます。
同じ通知には例外が書かれています。職業紹介事業者と募集情報等提供事業を行う者が、求職者等から照会を受けたら雇用しようとする者の氏名・名称等を答えることとし、そのことを照会先とともに求人情報に示す場合です。この場合は、氏名・名称等(通知の中では6項目全体を指す略称)が示されていないことだけをもって誤解を生じさせるものとはならないとされています(厚生労働省職業安定局需給調整事業課 職需発1218第1号(PDF)/2026年9月24日閲覧)。通知はこの例外を職業紹介事業者と募集情報等提供事業を行う者の場合として書いており、求人企業が自社で出す募集は例外の対象として挙がっていません。自社の募集で名称を伏せたい場合は、個別の確認が要ります。
労働条件の明示|令和6年4月から、変更の範囲と更新基準が加わった
的確表示とは別に、職業安定法第5条の3第1項は労働条件の明示を定めています。職業紹介事業者や労働者の募集を行う者などは、求職者等に対して従事すべき業務の内容と賃金・労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません(デジタル庁 e-Gov法令検索「職業安定法」/2026年9月24日閲覧)。
書面などで明示する事項は、職業安定法第5条の3第4項を受けた同法施行規則第4条の2第3項に並んでいます。更新の基準は更新があり得る有期労働契約の場合に、派遣の旨は派遣労働者として雇う場合に限って明示します(デジタル庁 e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」/2026年9月24日閲覧)。
- 業務の内容(変更の範囲を含む)
- 労働契約の期間
- 試みの使用期間
- 有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む)
- 就業の場所(変更の範囲を含む)
- 始業と終業の時刻・時間外労働の有無・休憩・休日
- 賃金の額
- 健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険の適用
- 雇用しようとする者の氏名または名称
- 派遣労働者として雇用しようとする旨(該当する場合)
- 受動喫煙を防止するための措置
このうち業務の変更の範囲・就業場所の変更の範囲・有期労働契約の更新基準の3点は、令和6年4月1日施行の省令改正(令和5年厚生労働省令第89号)で加わりました(厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」/2026年9月24日閲覧)。
「変更の範囲」は、雇入れ直後の業務や場所だけでなく将来の配置転換などの見込みも含めた、労働契約の期間中の変更の範囲を指します。同省のリーフレットの記載例は、「(雇入れ直後)〇〇(変更の範囲)〇〇」の形で2つを並べています(厚生労働省・都道府県労働局「募集時などに明示すべき労働条件が追加されます!」(PDF)/2026年9月24日閲覧)。業務や就業場所が変わらない業種・職種・雇用形態なら「変更の範囲」を書く必要はなく、変更が想定されない日雇労働者は雇入れ日の業務と就業場所を示せば足りるとされています(厚生労働省「令和5年 改正職業安定法施行規則Q&A(労働条件明示等)【令和5年12月時点版】」(PDF)/問1-3/2026年9月24日閲覧)。
文字数が足りない場合の扱いも、同じリーフレットにあります。自社のホームページで募集する場合や求人広告を載せる場合は、求人票や募集要項で少なくとも所定の労働条件を明示しなければなりません。スペースが足りないなどやむを得ない場合は「詳細は面談時にお伝えします」などと付けて、一部を別のタイミングで明示できます。ただし原則として、面接などで求職者と最初に接触する時点までにすべての労働条件を明示する必要があります。面接などの過程で当初の条件が変わる場合は、変更の内容を速やかに明示する必要があります(厚生労働省 令和6年4月施行分のリーフレット(PDF)/2026年9月24日閲覧)。この明示は的確表示の義務とは別に行う必要があると、令和4年のリーフレットも注記しています(厚生労働省 令和4年の求人企業向けリーフレット(PDF)/2026年9月24日閲覧)。
性別と年齢|職種名・歓迎の表現・写真とイラストまで見る
男女雇用機会均等法第5条は「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」と定めています(デジタル庁 e-Gov法令検索「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」/2026年9月24日閲覧)。
厚生労働省の「男女均等な採用選考ルール」は、男女のいずれかを表す名称で募集職種を表示することや、男女のいずれかを優遇する表現を違法な事例に挙げています。「ウエイター」「○○レディ」「男性歓迎」「女性向きの職種」といった書き方です。男女のいずれかを採用する方針で、写真やイラストで一方の性に偏った職場を強調する表現も違法な事例に入ります。合理的な理由なく身長・体重・体力を要件にすることや転居を伴う転勤に応じることを要件にすることは、間接差別として禁止されています(法第7条)(厚生労働省・都道府県労働局「男女均等な採用選考ルール」(PDF)/2026年9月24日閲覧)。求人に添える写真やイラストをAIで作る場合も、描かれる人の性別の偏りは確かめる対象に入ります。
年齢については労働施策総合推進法第9条が、厚生労働省令で定めるときは募集と採用で年齢にかかわりなく均等な機会を与えるよう事業主に義務づけています。年齢を限れる例外は同法の施行規則第1条の3第1項に並び、定年年齢を下回る条件での無期雇用の募集や法令による年齢制限、技能やノウハウの継承などが入ります。60歳以上の高年齢者や国の施策の対象になる特定の年齢層に限った募集も例外です(デジタル庁 e-Gov法令検索「労働施策総合推進法」/同「労働施策総合推進法施行規則」/2026年9月24日閲覧)。
例外として上限年齢(65歳未満のものに限る)を定める場合は、その理由を求職者や職業紹介事業者等に書面や電子媒体で示すことが高年齢者雇用安定法第20条第1項で義務づけられています。形の上で求人票を「年齢不問」にしても、年齢を理由に応募を断ったり採否を決めたりすれば法違反になります(厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」(PDF)/2026年9月24日閲覧)。
歓迎の表現にも線があります。厚生労働省のQ&Aは、「年齢不問」とした上で「35歳未満の方歓迎」と書き添えるのは35歳未満を優遇するもので、実質的に年齢制限と同じと考えられ適当ではないとしています(例外事由に当たる場合を除く)。一方で「学生歓迎」は年齢制限に当たらず、「60歳以上の方歓迎」は例外事由に合うため違法とはならないとしています(厚生労働省「労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A(令和7年4月1日現在)」(PDF)/Q1-2/2026年9月24日閲覧)。
媒体の側にも同じ向きの基準があります。Indeedは業務と関係のない国籍・性別・年齢の制限を掲載しないとしていて、NG例に「30代までの主婦 日本国籍の方に限る」を挙げています(Indeed Japan「Indeedで求人情報が表示されない理由。掲載基準を見直してみよう」/2026年9月24日閲覧)。
AIに任せられるのは、職種名や歓迎の表現からこうした語を拾って人に回すところまでです。例外事由に当たるかどうかは、募集の理由を知っている人にしか判断できません。
媒体への配信は、Indeed PLUS・求人ボックス・Googleの求人検索で載る仕組みが違う
配信で人が先に決めるのは、原本から各媒体へ求人を流す経路です。システムに任せるのは、決めた経路に沿って原本を各媒体の形式に変えて送る作業です。同じ求人でも、経路によって載る場所と載るまでの時間と掲載先を決める主体が変わります。
Indeed PLUS|ATSへ1回投稿すると、載せる求人サイトはIndeedが選ぶ
Indeedは2024年1月30日、複数の求人サイトと複数のATSをつなぐ求人配信プラットフォーム「Indeed PLUS」の提供を始めました。企業は利用しているATSに求人を1回投稿するだけで、Indeedのマッチングテクノロジーによって最適な求人サイトに自動で掲載されると説明しています(Indeed Japan「求人配信プラットフォーム『Indeed PLUS』1月30日より提供開始!」/2026年9月24日閲覧)。
同じリリースの注記によると、求人の内容や特性などに照らしてIndeedが最も相応しいと判断した連携求人サイトへ自動で掲載し、複数ではなく単一の求人サイトにだけ載ることもあるとしています。掲載にはIndeedの利用規約・掲載基準・使用制限が適用されます(Indeed PLUSの提供開始リリース/2026年9月24日閲覧)。
提供開始の時点の連携求人サイトはIndeed・リクナビNEXT・タウンワークの3つでした(Indeed PLUSの提供開始リリース/2026年9月24日閲覧)。Indeedのヘルプは2026年2月9日現在の連携求人サイトとして、とらばーゆやはたらいく、しゅふきたなどを加えた15のサイトを挙げています。掲載対象は予告なく変わることがあるとも注記しています(Indeed「Indeed PLUS とは?」/2026年9月24日閲覧)。掲載先を自社で選べない経路なので、どの求人サイトに載ったかを配信の後に確かめる手順が要ります。
Indeedは2024年12月2日のお知らせで、2025年7月1日以降に掲載される求人情報は「直接投稿」と「求人情報連携」の2つの方法で集めたものが標準になると告知しました。クローリング(プログラムがウェブサイトを自動で巡回して情報を集めること)で集めた求人の掲載は限定的になるとしています(Indeed Japan「【お知らせ】Indeedに掲載される求人情報の『Indeedエントリー』標準化について」/2026年9月24日閲覧)。自社採用サイトに載せておけばIndeedが拾うという前提は、成り立ちにくくなりました。
Indeedの掲載方法は複数あり、Excel(またはCSV)に記入した求人をまとめて載せる一括アップロード機能もあります。スポンサー求人(Indeedで広告として表示する掲載方法)の利用企業向けで、営業担当などへの問い合わせが必要とされています(Indeed Japan「一括アップロード機能 – 求人掲載後の便利機能 –」/2026年9月24日閲覧)。Indeedは、入力した求人がおおよそ2〜3日以内に検索結果へ反映されるとしています(Indeed Japan 掲載基準の解説/2026年9月24日閲覧)。
求人ボックス|クローリングかXMLフィードかで、載る内容を管理できる範囲が変わる
求人ボックスに載るのは、インターネット上に公開されている求人情報と「求人ボックス 採用ボード」で投稿された求人です。人材事業者以外の自社ホームページに載せた求人は掲載まで長い期間がかかることがあるとして、採用ボードの利用を勧めています。掲載されない可能性がある禁止事項の最初には、労働関係法令を守らないものが挙がっています(株式会社カカクコム 求人ボックス 法人向けヘルプ「掲載される求人情報はどのようなものですか?」/2026年9月24日閲覧)。
広告として掲載するリスティング広告では、連携の方法が2つあります。クローリング方式は掲載元の求人サイトを求人ボックスが自動で巡回して情報を集める方式で、事前の準備は要りませんが取得される内容はコントロールできません。XMLフィード連携方式は求人ボックスの仕様に沿ったXMLフィード(求人データを決まった形式で並べたファイル)を企業側が用意する方式で、システムの準備が要る代わりにキャンペーンの設計やタイトルの調整などを細かく行えます(求人ボックス 法人向けヘルプ「【リスティング広告】求人の連携方法」/2026年9月24日閲覧)。更新と掲載終了を原本から確実に流したいなら、フィードで渡す方式のほうが自社で管理できる範囲は広くなります。
Googleの求人検索|JobPosting構造化データを、1件の求人だけを載せたページに置く
Googleは2019年1月23日、求人情報を検索結果に表示する「Google しごと検索」の日本での提供を始めました。サイトの管理者が構造化データ(ページの中身を検索エンジンが読める形式で書き添えたもの)を用意すれば、求人情報を自動でクロールして検索結果に表示すると説明しています(Google Japan Blog「Google しごと検索で、仕事探しをもっとスムーズに!」/2026年9月24日閲覧)。
Google検索セントラルのドキュメントによると、Googleの求人検索の提供地域には日本が含まれています。JobPostingの構造化データは求人を1件だけ載せた最も詳しいページ(リーフページ)に置き、検索結果ページのような求人の一覧ページには付けません。必須のプロパティはdatePosted・description・hiringOrganization・jobLocation・titleの5つです。常に在宅勤務する求人でapplicantLocationRequirementsを指定する場合は、jobLocationは必須ではありません。titleには職務名だけを入れ、求人コード・住所・日付・給与・会社名を含めないよう求めています。同じ求人のコピーを別のURLのサイトに載せる場合は、それぞれのページで正規URL(canonical)を示します(Google 検索セントラル「求人情報(JobPosting)の構造化データ」/2026年9月24日閲覧)。
1ページに1求人という前提は、ATSや採用サイトの作りに関わります。複数の職種を1ページにまとめた募集要項のページは、この形に合いません。
自社採用サイト|全媒体の元になる原本として、掲載した時点を書く
自社の採用サイトの求人ページも、的確表示の義務がかかるウェブサイトの1つです。厚生労働省のリーフレットは、募集広告などで情報を提供する場合は掲載した時点を明示するなどして、正確かつ最新の内容に保つ義務があるとしています(厚生労働省 令和6年4月施行分のリーフレット(PDF)/2026年9月24日閲覧)。
このページを1ページ1求人の形で原本にし、JobPostingのdatePostedと各媒体への配信の元にすると、日付と中身の食い違いを1か所で直せます。
出稿の自動化が媒体のルールに触れやすいのは、再投稿・実際と違う勤務地・採用予定のない募集
機械に任せると、人の手では手間がかかってやらなかった操作も簡単にできてしまいます。媒体のルールは、そのいくつかを名指しで禁じています。
同じ求人を出し直して、表示順を上げようとする
Indeedの掲載基準の解説ページは「プラットフォームの不正使用に関する規約」として、表示順を操作したり基準を回避したりする内容と、それを可能にするシステムの開発を禁止しています。例として最初に挙がっているのが、求人情報の頻繁な再投稿です(Indeed Japan 掲載基準の解説/2026年9月24日閲覧)。
Indeedのポリシー「求人掲載の整合性と重複」は、1つの求人につきプラットフォームへの掲載は1回だけとしています。再投稿してよいのは、その職種の求人がいったん終了してから再開された場合だけです。違反すると求人の非表示や表示の優先度の引き下げがあり、繰り返しや重大な違反では、無料掲載を使えなくなることやアカウントの制限・削除もあり得るとしています(Indeed「求人掲載の整合性と重複」/2026年9月24日閲覧)。
求人ボックスも、既に掲載・投稿された求人と実質的に同じ求人や、短期的に投稿を繰り返す掲載主を禁止事項に挙げています(求人ボックス 法人向けヘルプ(掲載される求人情報)/2026年9月24日閲覧)。
自動化で見落としやすいのは、ATSから連携する経路と手で投稿する経路が並んでいる状態です。同じ求人が2つの経路から載ると、意図しないまま重複になります。経路は1つに決め、原本以外からの投稿は止めます。
周辺の地名ごとに、同じ求人を複製する
勤務地を広く見せるために同じ求人を周辺の地名ごとに複製する作り方も、機械なら簡単にできてしまいます。Indeedは1つの求人情報につき「1職種、1勤務地」を原則としています。先に見た不正使用の規約でも、実際の勤務地以外の場所での求人の掲載を禁止の例に挙げています(Indeed Japan 掲載基準の解説/2026年9月24日閲覧)。勤務地が本当に複数ある場合は、勤務地ごとに実在する求人として原本を分けます。
採用する予定のない職種で、応募者の情報を集める
Googleの求人情報のコンテンツポリシーは、実在しない架空の求人を禁じています。応募者を雇うためではなく、応募者の情報を集めることを主な目的とする求人もこれに入ります。英語の原文の「Resume collection」の項は、履歴書の募集を募集中の職種に限るとし、採用を行っていないのに候補者のデータを集める募集は削除することがあるとしています。日本語版では、この項の見出しが「募集の再開」と訳されています(Google Search Central「Job posting (JobPosting) structured data for Job Search」/2026年9月24日閲覧)。
求人ボックスも、個人情報の収集が目的と見なせる求人を禁止事項に入れています(求人ボックス 法人向けヘルプ(掲載される求人情報)/2026年9月24日閲覧)。採用の予定を決めないまま母集団を貯める目的で求人を自動で出し続ける設計は、この線に近づきます。
募集を閉じたら、自社サイト・各媒体・Googleの求人検索の掲載を速やかに止める
表示内容の節で見た「正確かつ最新」の義務は、募集を閉じた後の掲載にもかかります。厚生労働省のリーフレットは、正確で最新の内容に保つための措置の例として次の4つを挙げています(厚生労働省 令和4年の求人企業向けリーフレット(PDF)/2026年9月24日閲覧)。
- 募集を終了・変更したら、速やかに情報の提供を終了・変更する(例:自社の採用ウェブサイトを速やかに更新する)
- 求人メディア等を使っている場合は、終了・変更の反映を速やかに依頼する
- いつの時点の求人情報かを明らかにする
- 求人メディア等から訂正・変更を依頼されたら、速やかに対応する
媒体に載せた求人でも、中身の責任は募集する会社にあります。厚生労働省の改正法Q&Aは、労働者の募集を行う者は募集情報等について一義的な責任を持つため、正確かつ最新の内容に保つ必要があるとしています(厚生労働省「令和4年 改正職業安定法Q&A」(PDF)/問2-7/2026年9月24日閲覧)。
媒体の側にも義務があります。職業安定法施行規則第4条の3第4項は、募集情報等提供事業者などに中止や訂正の求めへ遅滞なく対応することを求めています。同規則は職業安定法第4条第6項第2号の類型に当たる事業者に、募集情報を定期的に集め直してその頻度を明らかにするか、集めた時点を明らかにする措置を求めています(デジタル庁 e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」/2026年9月24日閲覧)。厚生労働省のQ&Aは、募集情報を集めて提供するこの類型の例にクローリング型求人サイトを挙げています(厚生労働省「令和4年 改正職業安定法Q&A」(PDF)/2026年9月24日閲覧)。会社が募集を閉じても、クローリングで集める先では次に集め直すまで古い求人が残る可能性があります。
媒体ごとの閉じ方も決まっています。Indeedは、同じ求人を新しく作り直さず既存の求人を更新するよう求めています(Indeed「求人掲載の整合性と重複」/2026年9月24日閲覧)。求人ボックスは、募集が終了しているのに募集を続けている求人と内容を最新に更新していない求人を、掲載されない可能性がある禁止事項に挙げています(求人ボックス 法人向けヘルプ(掲載される求人情報)/2026年9月24日閲覧)。
Googleの求人検索では、応募を受け付けなくなった求人を3つのいずれかで期限切れにする必要があります。validThrough(募集の締め切り日時を示す項目)を過去の日時にする方法・ページを削除して404か410のステータス(ページが存在しないことを示す応答)を返す方法・JobPosting構造化データを外す方法です。期限切れの求人に適時に対処しないと、手動による対策(Googleの審査担当者の判断で表示に制限がかかる措置)の対象になることがあります。validThroughは有効期限のある求人では必須で、期限より前に充足したら求人を削除するよう求めています。有効期限がない、またはわからない求人にはvalidThroughを指定しないとされています(Google 検索セントラル JobPostingのドキュメント/2026年9月24日閲覧)。
求人のページをGoogleに早くクロールさせる手段として、Googleは求人のURLにはサイトマップよりIndexing APIを使うよう勧めています。Indexing APIを使えるのは、JobPostingかライブ配信の動画の情報(BroadcastEvent)を含むページだけです。送信は厳しいスパム検出の対象で、複数のアカウントなどで使用量の上限を超えようとする使い方はアクセスの取り消しにつながり得ます。本格的な利用には追加の承認が要ります(Google 検索セントラル「Indexing API Quickstart」/2026年9月24日閲覧)。
掲載を止めても、明示した内容の記録は消さずに残します。職業安定法施行規則第4条の2第7項は、明示した業務の内容などの記録を、その募集が終了する日まで保存するよう求めています。募集の終了後に労働契約を結ぶ場合は、契約を結ぶ日までです(デジタル庁 e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」/2026年9月24日閲覧)。
ここまでを自動化の設計に落とすと、閉じる操作は原本の1か所に置き、そこから全媒体の終了と記録の保存が流れる形になります。人が決めるのは募集を閉じる日と、面接の途中で変わった条件です。システムには、各媒体で掲載が止まったことを確かめて日付を残す役を任せます。配信の仕組みを先に作ると閉じる経路が媒体の数だけ枝分かれするので、この工程から組むと後の手戻りを抑えやすくなります。
応募の集計は、媒体ごとに違う数え方をそろえてから比べる
媒体の管理画面に出る数字は、同じ「表示回数」「応募」という名前でも数え方が違います。集計をAIとシステムに任せる前に、何を同じものとして足し合わせるかを人が決めます。
Indeedの解説ページ(2020年4月現在の内容)は、Indeedアナリティクスの表示回数を検索結果ページに載ってユーザーに閲覧された回数と定めています。クリック率はクリック数を表示回数で割った値で、応募率は応募数をクリックで割った値です。この定義はスポンサー求人のキャンペーンのレポート用で、無料掲載枠で発生したクリック数などは反映されないと書かれています(Indeed Japan「Indeed(インディード)アナリティクスとは?用語と使い方を紹介」/2026年9月24日閲覧)。
求人ボックスのヘルプでは、表示回数は広告求人が画面に表示された回数で、計測できない箇所の推計値を含みます。管理画面のレポートはリアルタイムではなく反映に数時間ほどかかることがあり、レポートに載るのは有料掲載の分のデータだけです(求人ボックス 法人向けヘルプ「【リスティング広告】表示回数とクリック数の違い」/2026年9月24日閲覧)。
応募数(コンバージョン)を数えるには、自社サイトの応募完了ページにタグを入れる必要があります。ブラウザのプライバシー機能などで計測の一部が欠けることがあるため、Google アナリティクスなど自社の計測の数値もあわせて見るよう勧めています。広告求人をクリックしてから30日以内の応募はすべて数えられ、クリックが複数回あった場合は最後にクリックされた広告求人のキャンペーンに集計されます。1回のクリックに複数の応募が集計されることもあるとしています(求人ボックス 法人向けヘルプ「【リスティング広告】コンバージョン(応募数)の計測方法」/同「【リスティング広告】コンバージョン(応募数)の定義」/2026年9月24日閲覧)。
Googleの求人検索からの流入は、Search Console(Googleの検索の分析ツール)の検索パフォーマンスレポートで確かめられます。リッチリザルト(検索結果で求人の詳細が目立つ形で出る表示)の表示とクリックの頻度・平均掲載順位が見られ、APIで自動で取り出すこともできます。求人の詳細ページから自社サイトへの訪問を追うには、URLにUTMパラメータ(アクセス元を見分けるためにURLに付ける目印)を付けます。Googleが示している値は、utm_campaign=google_jobs_apply・utm_source=google_jobs_apply・utm_medium=organicの3つです。構造化データを入れた直後は、リッチリザルトのステータスレポートで有効・無効なアイテムを確かめます(Google 検索セントラル JobPostingのドキュメント/2026年9月24日閲覧)。
求人ボックスの推計値を含む表示回数とIndeedの閲覧された回数としての表示回数は、足し合わせても意味のある数になりません。媒体の数字は媒体ごとの列に置いたまま、比べる単位は自社のATSで数えた応募と面接と採用にそろえます。先に見た実験のとおり求人を出しやすくなっても採用につながるとは限らないので、改善を判断する指標は採用に至ったかどうかに置きます。
媒体の側にも、改善案をAIが届ける機能があります。Indeedは2026年9月7日、「Indeed PLUS AIアシスタント(ベータ版)」の提供開始を発表しました。求人の応募状況などをもとにAIが改善提案をまとめ、1つの求人につき最大週1回(2026年9月時点)届けます。AIアシスタントが採用企業の承認なく求人原稿を変えることはなく、掲載する内容は採用企業が最終的に決めるとしています。対象は、Indeedの直接投稿かAirワーク 採用管理から投稿したスポンサー求人のうち条件を満たすもので、2026年9月時点では順次リリースしている段階です。利用条件や対象範囲は今後変わる場合があるとされています(Indeed Japan「Indeed PLUS AIアシスタント(ベータ版)」提供開始のリリース/2026年9月24日閲覧)。
改善案はAIが出し、採るかどうかは人が決めるという分け方は5つ目の工程と同じです。媒体ごとの数字を1つにまとめる作業は広告のレポートの自動化と同じ形で、集計元のデータの整い方で効果が変わる点は広告代理店のAI活用事例のレポーティングの節にまとめました。
人材紹介の会社が母集団形成に使うなら、配信先を自社の判断で選ぶと職業紹介に当たることがある
人材紹介の会社が母集団形成(紹介の候補になる求職者を集めること)のために自社の求人サイトや配信の仕組みを持つ場合は、その行為が職業安定法のどの定義に当たるかから確かめます。同法第4条第6項は「募集情報等提供」を4つの類型で定めています。求職者の情報を集めて行うもの(同条第7項の特定募集情報等提供)を事業として行う場合は、第43条の2で事前の届出が要ります。厚生労働省のQ&Aは、職業選択を容易にする目的で募集情報を集めて提供する類型の例に「クローリング型求人サイト」を挙げ、一般的なウェブ検索サイトで検索結果に募集情報が含まれるだけの場合は当たらないとしています(厚生労働省「令和4年 改正職業安定法Q&A」(PDF)/2026年9月24日閲覧)。
線が引かれているのは、求人を誰に届けるかを誰が決めるかです。同じQ&Aの問9-1は、事業者の判断で選んだ相手にだけ情報を提供する・相手に応じて加工する・意思疎通を加工するといった行為には職業紹介事業の許可等が要るとしています。その判断を人がするか、コンピュータやアルゴリズムが自動でするかは問いません。具体的な判断は個別の事例ごとに行う必要があるとしたうえで、一般論として求人を原則非公開にして特定の求人を事業者の判断で個別に求職者へ知らせたり応募を勧めたりする行為は職業紹介と判断されるとしています。求人を全件検索できるようにしたうえで一部を配信する行為は、この基準に当たらないと考えられるとしています。この基準に当たらない場合でも、宣伝広告や契約の実態であっせんをしていれば許可が要るとし、応募を確約する広告を例に挙げています(厚生労働省「令和4年 改正職業安定法Q&A」(PDF)/問9-1/2026年9月24日閲覧)。
問9-2は、求人企業から「看護師資格を所持している求職者にだけ配信してほしい」といった依頼を受け、それに従って配信先を限定するのは事業者の判断による選別に当たらないとしています。一方で、限定のない依頼を受けて事業者が求人内容や求職者の属性などから提供先を検討する場合は、事業者の判断が行われていると解されるとしています(厚生労働省「令和4年 改正職業安定法Q&A」(PDF)/問9-2/2026年9月24日閲覧)。
配信先の絞り込みをAIに任せるなら、条件を求人企業が指定したのか自社のAIが選んだのかで問9-2のどちらに近いかが変わります。配信の条件を誰が決めたかを記録に残し、後から示せるようにしておきます。求人企業が配信を外部の仕組みに任せる場合も、その仕組みの提供者がどちらに当たるかを契約の前に確かめます。個別の当てはめは、法務や専門家に確認してください。
媒体の側にも条件があります。求人ボックスは、採用ボードとリスティング広告のどちらでも人材派遣や人材紹介の求人を載せられるとしています。ただし許可が確認できない場合や行政処分の対象となる場合などは掲載を断ることがあり、紹介の求人には「採用ボードfor Agent」を勧めています。人材派遣会社に人材を紹介する求人は載せられません(求人ボックス 法人向けヘルプ「人材派遣や人材紹介の求人は掲載できますか」/2026年9月24日閲覧)。
求人企業の名前を伏せて出稿するなら、表示内容の節で見た令和6年12月の通知の例外に当たるかを確かめます(厚生労働省職業安定局需給調整事業課 職需発1218第1号(PDF)/2026年9月24日閲覧)。Googleの求人検索の構造化データでは、匿名の雇用主の代理として人材派遣会社が採用する場合などに、hiringOrganization.nameへconfidentialの値を使うとされています。これは検索に載せるときのデータの書き方で、職業安定法上の表示の扱いとは別の話です(Google 検索セントラル JobPostingのドキュメント/2026年9月24日閲覧)。
人材紹介の工程全体でAIが担う作業は、人材紹介のAI活用事例で5つの工程に分けて並べています。
求人広告の出稿自動化に関するよくある質問
Q. AIが書いた求人票に誤りがあったら、責任は誰が負いますか?
募集する会社が負うと考えて運用してください。厚生労働省の改正職業安定法Q&Aは、労働者の募集を行う者は募集情報等について一義的な責任を持つとしています(厚生労働省「令和4年 改正職業安定法Q&A」(PDF)/問2-7/2026年9月24日閲覧)。社内でAIの出力を使うときの確認の責任の決め方は、生成AIの社内利用ルールの作り方にまとめています。
Q. 求人サイトの文字数が足りないときは、労働条件を省いてもよいですか?
一部を後で示すことはできますが、省いたままにはできません。スペースが足りないなどやむを得ない場合は「詳細は面談時にお伝えします」などと付けて一部を後で明示できますが、原則として面接などで最初に接触する時点までにすべての労働条件を明示する必要があります(厚生労働省 令和6年4月施行分のリーフレット(PDF)/2026年9月24日閲覧)。
Q. Indeed PLUSを使えば、連携しているすべての求人サイトに載りますか?
載るとは限りません。掲載先はIndeedが求人ごとに選び、1つのサイトにしか載らないこともあります(Indeed PLUSの提供開始リリース/2026年9月24日閲覧)。載った先を配信のたびに記録しておくと、募集を閉じるときに止める先を漏らさずに済みます。
Q. 求人を上位に表示させるために、定期的に出し直してもよいですか?
避けてください。Indeedは求人情報の頻繁な再投稿を不正使用の例に挙げています(Indeed Japan 掲載基準の解説/2026年9月24日閲覧)。再投稿してよいのは、その職種の求人が終了してから再開した場合だけです(Indeed「求人掲載の整合性と重複」/2026年9月24日閲覧)。条件が変わったときは、新しく作り直さずに既存の求人を更新します。
SAIの視点:出稿の自動化は、募集を閉じる操作から組み立てる
この記事で並べた法令と媒体のルールは、求人を出す手順より、直す手順と閉じる手順を細かく書いていました。採用担当にとっての出稿の自動化は、出す操作を減らす話である前に、閉じる操作を1か所にまとめる話だと当社は考えています。

当社は人材紹介の会社から、求職者の母集団形成のために求人サイトへの広告出稿を自動化したいという相談を受けたことがあります。事業会社の採用担当が自社の求人を複数の媒体に出す場合、設計の最初に決めるのは原本をどこに置くかと、募集を閉じるときに誰がどの画面で操作するかだと考えています。人材紹介の会社なら、その前に配信の仕組みが職業安定法のどの定義に当たるかを確かめる順番になります。
広告代理店の案件では、配信データを自動で集計し、改善提案のたたき台までをAIが作る仕組みを組みました。担当者が判断と仕上げに集中できるようにする形です。バナーや広告文のバリエーションをAIで量産し、A/Bテスト(複数案の比較検証)を回しやすくもしました(HP制作とSNS・広告運用を自動化し、対応できる案件数を伸ばす)。求人広告の事例ではありません。
このうち集計とたたき台をAIに任せる分担は、5つ目の工程にそのまま使えます。一方で案の量産は、同じやり方では使えません。Indeedは1つの求人の掲載を1回としているため、文面だけ違う同じ求人を並べて比べると重複に当たるおそれがあります(Indeed「求人掲載の整合性と重複」/2026年9月24日閲覧)。求人広告で複数の案を試すなら、1つの求人の原稿を時期を分けて直し、前後の数字を比べる形になります。
当社のAI導入支援は業務の棚卸しから始めます。求人広告なら媒体と連携の経路を一覧にし、原稿のテンプレートに変更の範囲の欄があるかを確かめてからAIに任せる作業を決めます。
SAIが最初に数えるのは、募集を閉じたときに手で止めている掲載の数です。いま求人を出している媒体の一覧と、募集を閉じる日に誰がどの画面で何をしているかを、お問い合わせからお送りください。
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