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株式会社SAI
コンサルティング

AI導入は誰に相談すべき?支援会社4タイプの選び方

執筆:清水 諒(株式会社SAI 代表取締役)

AI導入は誰に相談すべき?支援会社4タイプの選び方

Key Takeaways

  • AI導入の相談先は戦略コンサル・SIer・ツールベンダー・伴走型支援の4タイプに分かれ、「成果物が何か」で見分けられる
  • 戦略コンサルの成果物は戦略・計画の資料で実装は原則行わず、SIerは確実に作るが要件定義は発注側の責任という限界がある
  • ツールベンダーは課題よりツールが先に決まっている提案構造のため、ハマらない課題に無理に合わせると使われないシステムが残る
  • 伴走型支援(ハンズオン型)は現場に入り込み課題特定から実装・運用定着まで進め、動く業務と自走できる組織が成果物になる
  • 選定では「成果物は何か」「誰が手を動かすか」「社内に何が残るか」など5つの質問への回答の質でパートナーの実力と誠実さが見える

「AIで業務を変えたいが、誰に相談すればいいのかわからない」——これは、私たちが最も多く受ける相談の一つです。検索すればコンサルティングファーム・SIer・AIベンチャー・ツールベンダー…と選択肢は無数に出てきますが、それぞれ提供物がまったく違うことは意外と知られていません。

相談先のミスマッチは、時間と予算をまとめて失う典型的な失敗パターンです。本記事では、相談先を4タイプに整理し、自社に合うパートナーの見極め方を解説します。

相談先は4タイプ——「成果物」で見分ける

AI導入の相談先は、戦略コンサルティングファーム・SIer/受託開発会社・ツールベンダー・伴走型支援の4タイプに分かれます。見分ける基準は、その会社が最後に何を渡すかです。

この手前で止まっている企業も少なくありません。総務省の令和8年版情報通信白書によれば、生成AIを活用する方針だと答えた日本の中小企業は58.1%でした(総務省「令和8年版 情報通信白書」生成AIの活用方針等、2025年度企業向け調査)。大企業は74.0%で、規模による差が残っています。

タイプ1:戦略コンサルティングファーム

成果物:戦略・計画(資料)

現状分析、AI活用の全社戦略、ロードマップ策定が得意領域です。経営層の合意形成や、大規模投資の意思決定材料づくりには強力ですが、実装は原則やりません。「立派な戦略資料はできたが、作れる人がいない」というギャップが典型的な課題です。

タイプ2:SIer・受託開発会社

成果物:発注どおりのシステム

要件が明確なら、確実にシステムを作ってくれます。ただし動き方は基本的に「言われたものを作る」であり、要件定義は発注側の責任です。AI活用のように「何を作るべきかが走りながら変わる」領域では、都度の見積もり・変更手続きがスピードのボトルネックになりがちです。

タイプ3:ツールベンダー

成果物:自社ツールのライセンスと導入支援

「うちのツールで解決できます」という提案構造上、課題よりツールが先に決まっている点に注意が必要です。ツールがハマる課題なら最速・最安ですが、ハマらない課題を無理にツールに合わせると、現場に使われないシステムが残ります。

タイプ4:伴走型支援(ハンズオン型)

成果物:動く業務と、自走できる組織

エンジニアやコンサルタントが現場に入り込み、課題の特定から実装・運用定着までを一緒に進めるタイプです。米国ではFDE(Forward Deployed Engineer)と呼ばれます。米Palantirはこの職種を自社が切り拓いたものと位置づけ、才能あるエンジニアを顧客に直接配属して最も切実な課題に正面から取り組ませる働き方だと説明しています(Palantir公式求人 Forward Deployed Software Engineer、2026年9月9日確認)。戦略と実装の分断がなく、内製化までつなげられるのが強みですが、大人数を一気に投入する物量勝負には向きません。

失敗しがちな組み合わせパターン

パターン1:戦略コンサル→SIerのリレー失敗

コンサルが描いた構想をSIerに発注したら、「要件が曖昧」と大幅な追加見積もり。構想と実装の間の翻訳者が不在だと、このギャップは埋まりません。

パターン2:ツール導入が目的化する

「AIツールを入れたのに使われない」——課題の分解より先にツールを契約してしまったケースです。生成AIの業務自動化で解説したとおり、定着には業務への埋め込みと推進役の育成が不可欠です。生成AI導入に際しての懸念として日本企業が最も多く挙げたのは「効果的な活用方法がわからない」でした(総務省「令和7年版 情報通信白書」企業におけるAI利用の現状、2025年7月公表/2024年度調査)。何に使うかが決まらないまま道具だけが増える構図は、ここから生まれます。

パターン3:PoCの無限ループ

「まず実証実験を」と繰り返し、いつまでも本番にたどり着かないPoC止まり。実験の設計段階で「本番化の条件」を決めていないことが原因です。

パートナー選定で必ず確認すべき5つの質問

商談の場で、次の5つを聞いてみてください。回答の質で、そのパートナーの実力と誠実さがかなり見えます。

  1. 「御社の成果物は何ですか?」——資料か、システムか、動く業務か。自社が欲しいものと一致しているかを確認します
  2. 「誰が手を動かしますか?」——提案してくる人と実行する人が別、というのはよくある話です。実際に現場に来る人のスキルを確認しましょう
  3. 「私たちの社内に何が残りますか?」——システムだけか、使いこなすスキルと体制まで残るのか
  4. 「うまくいかなかった事例を教えてください」——成功事例しか話せないパートナーより、失敗から学んだ知見を語れるパートナーのほうが信頼できます
  5. 「小さく始められますか?」——最初から大型契約を求めるか、小さな成果で信頼を作ってから広げる設計か

自社に合う相談先の目安

  • 経営層の合意形成・大規模投資の判断が必要 → 戦略コンサル
  • 要件が固まっており、確実に作ってほしい → SIer・開発会社
  • 課題がツールの守備範囲と明確に一致 → ツールベンダー
  • 何から手をつけるべきかから相談したい/作った後も自社で回したい → 伴走型支援

複数タイプの併用も有効ですが、その場合は構想と実装をつなぐ「翻訳者」を必ず確保することが成否を分けます。

SAIの視点:まず「最初の相談相手」を見つけてほしい

私たち株式会社SAIは、伴走型(タイプ4)に属する会社です。ビジョンに「最初の相談相手になる。」と掲げているとおり、発注先を決める前の「そもそも何をすべきか」の段階からご相談いただくのが、実は最も価値を出せるタイミングだと考えています。

エンジニアが商談から同席し、動くデモで検証し、導入事例のように現場で作り切る——それが私たちのスタイルです。新規事業の立ち上げを丸ごと任せたいという相談には、初期開発費用をいただかずに請け負う自責〜JISEKI〜で応じることもあります。上の5つの質問、ぜひ私たちにもぶつけてください。お問い合わせはこちらから。